冬北 – 4日目

 2010年(平成22年)12月23日(木)

 とうとう雪が降り出した。目の前の景色は昨日とは一変している。走り出すと、サングラスの隙間から粉雪が目に飛び込んでくる。気温が低いとき、溶けない雪は砂と同じである。たまらずスキー用ゴーグルに切り替える。

 途中、宗谷本線の音威子府(おといねっぷ)駅で食べた、この村特産の音威子府そばは、私が各地で食べたことのある「ご当地名物」の中でも、特別に美味だった。

 ここで道は宗谷本線から離れ、昨日とは別の天北峠(標高190m)へと向かう。峠の上りに入ったところで1台のパトカーとすれ違い、しばらくして同じパトカーに追い抜かされた。いやな予感がするなぁと思っていたら、案の定峠の頂上で待っていた。冬北で警察官に声をかけられ、場合によっては旅の中止を求められるのは、サイクリング部員誰もが経験することである。このときは行程の説明をし、厳冬期ツーリングの経験があることを告げ、最終的に、くれぐれも気をつけてと言われただけで済んだ。

 昼の1時には敏音知(ぴんねしり)に着いた。明日は標高529mの知駒(しりこま)峠を超える。峠を越えた後には夜を明かせそうなところがないので、今日の行程はここまで。午後はゆっくりする。

 敏音知には、道の駅と向かいの温泉ホテルの他は、コンビニや商店も無く、あたりはしんと静まりかえっていた。雪はまだ降っていた。

 夕食はホテルでとることができたが、朝は開いていないようなので、初めて自炊することになった。といっても、道の駅に置いてあるものは少ない。レトルトのたこカレー(稚内名物)と、手延べそうめん(下川名産)を組み合わせることになった。

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