シクロクロス専用に、XTRのリアディレーラーを改造

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 レース用シクロクロスのリアディレーラーは、昨シーズンまでは旧型XTRのRD-M972を、10速のスプロケットおよびSTIと組み合わせていました。シマノの9速までのリアディレーラーは、MTB用とロード用でおおよそ互換性があり、また9速のロード用RDと10速のロード用RDもまたおおよそ互換性があることから、9速のMTB用RDと10速のロード用RDはだいたい交換可能というわけです。
 これが10速のMTB用RD (Dyna-Sys) になると、ワイヤーを引かなければならない量が約1.6倍に増えているため、10速のロード用STIと組み合わせようとすると特別な工夫が必要になります。

 さて、昨シーズンまではフロントがダブルだったので、RDのPテンションスプリングを引っ掛ける位置を強めにして、ケージもミドルケージにすることで、チェーン落ちなど問題なく使えていたのですが、今シーズンはフロントをシングルにすることにしたので、RDがそのままでは少し不安があります。

http://techdocs.shimano.com/media/techdocs/content/cycle/EV/bikecomponents/RD/EV-RD-M972-2758B_v1_m56577569830721668.pdf

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 そこで、ショートケージのMTB用RD、旧型SAINTのRD-M810-Aを用意したのですが、そのまま使うのも面白くないのでRD-M972とニコイチにしてみることにしました。M810は、M972と公式にケージの互換性があります。また、M810のPテンションスプリングは非常に強いので、こちらも移植することにします。

http://techdocs.shimano.com/media/techdocs/content/cycle/EV/bikecomponents/RD/EV-RD-M810-A-3027A_v1_m56577569830799958.pdf

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 まず、上下のプーリーを3mmの六角レンチで外します。ねじの緩み止めが効いているので、かなり力が要りますね。ここは是非トルクスにしておいてほしいのですが。
 次に、プーリーケージが戻るのを止めているピンをプラスドライバーで外します。ここも固く締まっているので注意。

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 P軸を5mmの六角レンチで緩め、ケージを本体から外すと、Pテンションスプリングが出てきます。

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 M972の方も同じところまで分解し、スプリングを比較してみます。左がXTRのスプリング、右がSAINTのスプリングです。

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形は少し違うものの、材質や大きさ、太さは同じに見えます。ところが、両端のピンの位相が違う。これがセイントのRDのリターンテンションが高い理由です。より遠い初期位置でケージを固定しているので、より強い反発力が生まれるんですね。

 また、シマノのRDは、ほとんどの場合Pテンションスプリングを固定する位置が2つあります。初期位置は必ずPテンションが弱くなる位置になっているのですが、RDを裏から見て時計回りに進んでいる方向の穴でPテンションスプリングを固定することで、リターンテンションをより高めることができます。

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 さて、あとはプーリーを取り付けるだけですが、ロードの11速化で余ったRD-7900用の物を使います。XTRに元々ついていたのと違って肉抜き穴が無いので掃除しやすいですね。性能面ではほとんど違いは無いと思いますが。

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 これでシクロクロス専用、ショートケージかつテンションかなり強めのXTRリアディレーラーが完成しました。

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 ところで、10速のMTB用RDのプーリーですが、XTRは以前と同じく上下ベアリング入りで、上のガイドプーリーのみスライドするのですが、XTのガイドプーリーはスライドしません。その代わり、以前は下のテンションプーリーのみベアリング入りだったのが両方になっています。M772からM773へのモデルチェンジの時から、スタビライザーが導入された現在のモデルに至るまでずっとそのようです。

 一方、デュラエースのRDのプーリーは、11速化されて両方スライドするようになりました。どんな技術的裏付けがあるのか気になりますね。

 そのRD-9000を含めたロード用RDもまた、プーリーケージの互換性があります。シャドータイプでないMTB用RDのケージもだいたい付けられるので、このように夢屋のケージと交換して、フロントトリプルに対応することも出来ます。

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 以上、シマノのリアディレーラーのお話でした。

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